戦後の進駐軍家族のため住宅地であるデペンデントハウスエリア。東京では
成増グラントハイツ、代々木ワシントンハイツが大型の住宅地として有名ですが、
その他にも都内には小規模タイプのデペンデントハウスエリアがありました。
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資料集「DEPENDENTS HOUSING」には”Site B”としてそのひとつである
LINCOLN CENTER(リンカーンセンター)の様子も掲載されています。
場所は現在の霞ヶ関、国土交通省の建物があるあたりにあった様です。
総戸数は50戸と、827戸のワシントンハイツ、 1260戸のグラントハイツと比べると
かなり少ないですね。
戸数は少ないですが、GHQの本部であった第一生命館が目と鼻の先だった事を考えると
かなり上の位の将校が住んでいたのかもしれません。
写真を見る限りここは平屋建てではなく、2階建てのハウスがならんでいます。
中庭を挟んだかたちで、6~8戸を1ユニットとしていたワシントンハイツなどの
エリアと異なり、ここは南向きを基本にハウスが整然と並んでいます。
小さなハウジングエリアの場合、戸数が少なくなるので、レイアウトが散漫に
ならないように同一方向に向け、整然と並べる事により住宅地としての
まとまりをつくったのだそうです。※1
道路はメイン道路から住戸まで枝分かれして突き当たりは回転路、クルドサックと
なっているのが特徴的です。
そしてもう一度この写真を良くみると、面白い事に気付きました。
左上に国会議事堂が写っているのがわかるでしょうか。
さらに、右側には皇居まで写っているじゃないですか。
この写真は3枚の写真でパノラマにしてるので一番左の写真はわざと
国会議事堂を入れてるのがわかります。
日本を象徴する2拠点の間に建つ、アメリカ大統領の名前を冠した進駐軍家族住宅地。
捉え方は人それぞれだと思いますが、カメラマンはかなり意識して撮影したのでは
ないでしょうか。
もしくはGHQの指示なのか・・・。いろんな妄想があたまを巡ります(笑)
日本の中心みたいな立地なので現在はかなり様変りしてしまいましたが
今度、機会があれば周辺を歩いてみたいですね。
リンカーンセンターは赤丸のあたりにあったようです。(手前は外務省)
※1参考「占領軍住宅の記録(上)」
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