占領軍住宅の記録


占領軍住宅の記録(上・下)

すごい本に出会いました。

ネットで米軍ハウス系の資料がないかなと探していたら
こんな本をみつけたので購入しました。
amazonでもマーケットプレイスしかなく、定価が1冊¥2,600-なのですが、なんと

プレミアがついてる(!)しかし、よく見ると1出品者だけ上下巻セットで
¥5,200-で出品していたので、すぐに購入しました。

この本は1999年に出版された日本の住宅研究などをされている小泉和子、高薮昭、
内田青蔵の3氏による共著の本です。内容としては1948年に発行された当時の
商工省工芸指導所と言う所の編集による写真、図面、解説の「Dependents Housing」
ディペンデントハウスという本の内容を再編しながら、時代背景などの考察を交えて
まとめられている本です。上巻(建築編)下巻(家具、什器編)の構成となっています。

また、巻末に栞として当時実際に占領軍住宅の開発計画に関わった方
(建築編/網戸武夫氏、家具編/金子徳二郎氏)のインタビューや計画の流れと
世の中の動きが年表でまとめられたりしていて、こちらも大変面白いです。

戦後の1948年に出された本を解説した本が1999年に出され、
2012年にそれを見るというのはなんとも不思議な感覚でした。

「記録」であり「物語」がありました。

はじめは写真や図の解説がたんたんと記録されているのかと思いましたが、
実はこの本は文章にこそ物語があります。

記録なので小説という意味の物語ではないですが、戦後直後という時代背景を
感じながら読むと、とても感慨深いです。

究極に物資が不足していた戦後にもかかわらず、
もの凄い事を成し遂げていたんだなとづくづく思いました。
(ドラマ化しても面白いくらいです。)

また、そこで成し遂げられ蓄積した技術、生活文化が
現在の日本人の生活の基礎をなしている事もわかります。
(60年以上前にALL電化をすでに実践していました!)

当時の日本人には当然憧れの生活になりますが、あまりにも雲の上の生活だった様です。
その為、経済成長して行くにしたがい、比較的手に届きやすい電化製品
(冷蔵庫、洗濯機など)に走ってしまったため物質的な豊かさを求める流れに
なってしまったのもまた事実の様です。

「DEPENDENT HOUSE」とは直訳すると「扶養住宅」(INDEPENDENTと逆ですね)
の事で、進駐してきた米軍兵士が本国アメリカから連れてきた家族と過ごす為の家です。

そのためにトコトン考えられた住宅なので米軍ハウスに住む家族というと、
なんとなく幸せなそうなイメージなのは自然な事なんですね。

DEPENDENT HOUSE ギャラリー

今回、写真図面の多い本書をこのブログを見て頂いた方に少しでも見て頂きたい!
という思いで発行元である「住まいの図書館出版局」さんに連絡した所、
掲載許可を頂ました。ありがとうございました!
終戦当時に思いを馳せながらみていただければと思います。

いつか1948年発行の「DEPENDENT HOUSE」の原書を見てみたいものです。

出典

0.1.2.3.4.5ページ写真「占領軍住宅の記録」(上巻)
6.7.8.9.10.11ページ写真「占領軍住宅の記録」(下巻)
記載のない図、表に関しては「デペンデントハウス」よりの引用
家具・什器・電気機器に関しての写真は財団法人工芸財団より
2 図29.30.31.32 上田次郎「進駐軍家族住宅図譜」技報堂 昭和25年
4 図68 上田次郎「進駐軍家族住宅図譜」技報堂 昭和25年
6 図2.3.4.5 ENGINEER SECTION FEC 「Dependents Housing」
8 図61.65 「デペンデント・ハウス」より作成
11 図91.92.93.94.95.96.97 「BUILT IN USA-SINCE1932」ELIZABETHMOCK ‘THE    MUSEUM OF MODERN ART’
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